AM
78 微小容積 V 内で下図のようなコンプトン散乱が発生した。 カーマと吸収線量の組合せで正しいのはどれか。 ただし、制動放射線は無視する。
カーマ 吸収線量
1. E1 T0
2. T0 T0 – T1
3. T1 T1
4. E0 – T1 E0 – E1
解 2
カーマは定義のままだと思います。吸収線量に、散乱線や特性X線などの電磁波成分になったものは関連しないそうです。
参考までに2つの定義は次のとおりです。
カーマ 非荷電粒子により、質量dmの物質中で生成されたすべての荷電粒子の初期運動エネルギーの総和dEtr
吸収線量 電離放射線により質量dmの物体に付与された平均エネルギーdε
79 光電子増倍管について正しいのはどれか。
1.電離箱と組合せて使用される。
2.ダイノードは 10〜15 段で構成される。
3.検出器で発生した蛍光は光電陽極で光電子に変換される。
4.ダイノード間では印加された磁場により電子が加速・増幅される。
5.増幅された電子はライトガイドを通じてプリアンプへ信号が送られる。
解 2
80 光子が1m2 の照射面積を2秒間に 1016 個通過した。 このときのフルエンス率[m-2・s-1]はどれか。
1.1 × 1015
2.5 × 1015
3.1 × 1016
4.5 × 1016
5.1 × 1017
解 2
フルエンス率は、フルエンスの時間あたりに換算したものです。
フルエンス Φ = dN / da [m-2] 断面積daの球に入射する粒子の数dN
単位面積が1[m2]、1[sec]あたりの光子数にすれば良いです。
1016 ÷ 1[m2] ÷ 2[sec] = 5 × 1015[m-2s-1]
81 空間分解能が最も優れているのはどれか。
1.蛍光ガラス素子
2.ファーマ形電離箱
3.平行平板形電離箱
4.熱ルミネセンス素子
5.ラジオクロミックフィルム
解 5
82 X 線フィルム(ラジオグラフィックフィルム)に対するラジオクロミックフィルムの特徴で正しいのはどれか。
1.水中利用はできない。
2.反応は温度依存がない。
3.照射後の濃度上昇はない。
4.エネルギー依存性が大きい。
5.読み取り方向の依存性がある。
解 5
写真乳剤の感度によるエネルギー依存性があること、方向依存性が大きいことが特徴になります。
PM
79 空洞電離箱線量計を用いた診断用 X 線の線量測定について正しいのはどれか。
1.温度気圧補正が必要である。
2.極性効果補正が必要である。
3.イオン再結合補正が必要である。
4.水吸収線量校正定数が必要である。
5.線量計にビルドアップキャップを装着して測定する。
解 1
気圧と気温の変化により、有効電離体積の大きさが変わり感度に影響するためです。
2、3、4は、標準測定法に関連していると思います。
5は、治療領域のX線であると思います。
80 β線の測定において計測値 100 カウントが得られたとき、その標準偏差はどれか。
1.1
2. 5
3.10
4.15
5.20
解 3
一般的に測定値nは、次のように表されます。
n ± √n n:ポアソン分布に従う、√n:標準偏差
よって、標準偏差は測定値100の平方根なので10となります。
81 ウェル型 NaI(Tl)検出器による放射能測定について正しいのはどれか。
1.測定位置依存性がない。
2.気体状の試料の放射能測定に用いる。
3.検出効率は試料の体積には依存しない。
4.パルス波高分布のデータをもとに、計数値を決定する。
5.放出 β 線のエネルギーを含む波高弁別レベルを設定する。
解 4
82 光電子増倍管を利用する放射線検出器はどれか。2つ選べ。
1.GM 計数管
2.OSL 線量計
3.半導体検出器
4.蛍光ガラス線量計
5.ラジオクロミックフィルム
解 2、4
放射線計測装置の概要2を参考にしてください。
83 ブラッグ・グレイの空洞理論の成立条件で正しいのはどれか。
1.空洞内で消滅する二次電子があること。
2.二次電子は媒質と空洞内で生じること。
3.入射光子は空洞内で相互作用を生じないこと。
4.空洞により二次電子フルエンスが変化すること。
5.空洞の大きさは二次電子の飛程より大きいこと。
解 3
コメント