75回 午前 診療画像検査学

75回
15 MRI で数値を大きくするとSN比が低下するのはどれか。

1.加算回数 
2.静磁場強度 
3.受信バンド幅
4.ボクセルサイズ 
5.RFコイルの感度

3

SNR(signal to noise ratio) = signal / noise です。

SNRを大きくするには、 分子の信号を増やす or 分母のノイズを小さくすると考えるとイメージしやすいと思います。反対にSNRが小さくなるのは、信号が減る or ノイズが増える時です。

この問題では、受信バンド幅が大きくなる→ノイズが増える→SNRが低下するということになります。

16 MRCP像(No. 1)を示す。 正しいのはどれか。

1.T1強調像である。
2.胆嚢管は描出されていない。
3.ガドリニウム造影剤を用いる。
4.総胆管結石は高信号に描出される。
5.消化管内の液体信号を消すために陰性造影剤を用いる。

5

MRCPは、胆嚢、総胆管や膵管の水成分を強調する画像のことです。hydrography、水強調画像やheavy T2Wと呼ばれたりします。造影剤を使用せず、非侵襲的に検査を行う事が出来ます。

結石や腫瘍がある場合は基本的に、低信号として描出されます。

17 頸部MRA像(No .2)を示す。矢印で示すのはどれか。

1.外頸動脈
2.総頸動脈
3.椎骨動脈
4.内頸動脈 
5.脳底動脈

3

69回午後に出題された問題に追記したものを使用します。

69pm20に追記
18 乳房の超音波検査について正しいのはどれか。

1.検査前は絶食にする。
2.3.5 ~ 5 MHz の周波数を用いる。
3.コンベックス型 プローブを用いる。
4.プローブは皮膚面に対して直角に当てる。
5.マンモグラフィと比べて微小石灰化の描出に優れている。

4

1.検査前は絶食にする。→腹部検査の時は、胆嚢が収縮してしまう、腸管の動きが活発になってしまう、ガスが増えてしまうなどの理由から食事をしない方が良いと思います。乳腺は関係なしと思います。

2.3.5 ~ 5 MHz の周波数を用いる。、3.コンベックス型 プローブを用いる。
→乳腺では電子リニア方式(周波数約10MHz)orメカニカルアニュラアレイ方式(周波数約7,5MHz)の探触子を使用するそうです。

5.マンモグラフィと比べて微小石灰化の描出に優れている。→マンモグラフィの特徴

19 胆嚢の超音波像(No.3)を示す。 考えられる疾患はどれか。

1.胆 泥
2.胆囊結石
3.壁内結石
4.胆囊腺筋腫症
5.コレステロールポリ ープ

2

音響陰影が確認出来るので、胆嚢結石で良いと思います。音響陰影で結石等を選択すれば良いと思いますが、壁内結石というものはあまり聞いたことがありません。

20 無散瞳眼底写真について正しいのはどれか。

1.網膜動脈は静脈より太い。
2.網膜動脈は高血圧で太くなる。
3.中心窩は黄斑部で観察される。
4.網膜動脈と静脈は黄斑部に集まる。
5.黄斑部は視神経乳頭より鼻側に位置する。

3

1.網膜動脈は静脈より太い。→太さの比は、網膜動脈:網膜静脈=2:3

2.網膜動脈は高血圧で太くなる。→高血圧性網膜症では、網膜動脈の狭細化などが見られるそうです。

4.網膜動脈と静脈は黄斑部に集まる。→視神経乳頭と思います。

5.黄斑部は視神経乳頭より鼻側に位置する。→下の図参照

74pm16に追記
21 MRIの磁化率アーチファクトを抑制する方法で正しいのはどれか。

1.TEを長くする。
2.スライス厚を厚くする。
3.受信バンド幅を狭くする。
4.ピクセルサイズを大きくする。 
5. GRE 法ではなくSE 法を用いる。

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磁化率アーチファクトの対策としては、以下が挙げられます。

  • 可能であれば異物を取り除きます。
  • 静磁場強度が高いと歪みの範囲も大きくなるので、静磁場強度が低い装置を選択します。
  • 撮像パルスシーケンスを変更します。影響大 EPI法>GRE法>SE法>高速SE法 影響小
  • バンド幅を大きくすします。例)アーチファクトが10pixel分だったとします。これを画像表示上で減らすには、受信帯域幅を倍に広げれば5pixelになるというお話です。
22 健常成人の右肋弓下走査の超音波像(No. 4)を示す。 矢印で示すのはどれか。

1.門 脈
2.総胆管
3.右尿管
4.右腎静脈 
5.腹部大動脈

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作成中

23 超音波検査で正しいのはどれか。

1.胆嚢の検査の基本体位は右側臥位である。
2.心臓の検査にはセクタ型プローブを使用する。
3.B モード法では連続波の超音波ビームを用いる。
4.膵臓の検査は炭酸ガスで胃を膨らませてから実施する。
5.STCの調整により距離分解能を改善することが可能である。

2

1.胆嚢の検査の基本体位は右側臥位である。→左側臥位で描出しやすくなることがあるそうです。

3.B モード法では連続波の超音波ビームを用いる。→わかりません、すみません。ただエコーはパルス反射法という原理で画像化されています。パルス波を送り、反射波の時間を測定し距離の測定を行っています。連続波だと出来ない雰囲気ありません?

4.膵臓の検査は炭酸ガスで胃を膨らませてから実施する。→わかりません、すみません。ただガスによるアーチファクトが増えると思います。

5.STCの調整により距離分解能を改善することが可能である。→STCは体表から深部まで一定のエコー輝度を保つ機能だそうです。

24 MRI のIR 法で正しいのはどれか。

1.IR パルスとして90 度パルスを使用する。
2.FLAIR 法は自由水の信号を抑制する目的で使用する。
3.STIR法は脂肪信号を特異的に抑制することが可能である。
4.信号を抑制したい組織の縦磁化がゼロになる時間にTRを設定する。
5.組織間の共鳴周波数の差を利用して特定組織の信号を抑制する手法である。

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IR(Inversion Recovery)法は、通常のパルスシーケンスの前に180°パルスを印加し特定のコントラストを調整する方法です。具体的には次のような用途があります。

  • 脂肪抑制  STIR、SpecIR
  • 自由水抑制 FLAIR
  • T1強調のコントラスト改善

通常のパルスシーケンスの前に180°パルスを印加し、組織の回復を待ってから通常のパルスシーケンスを開始するので、撮像時間の延長を伴います。

組織の回復を待つことから、IR法は反転回復のイメージを持つと良いと思います。この回復具合はT1値と大きく関連し、通常のパルスシーケンスを開始するタイミング(TI:インバージョンタイム)によって画像コントラストが変わってきます。

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