50 骨格筋でないのはどれか。
1.心 筋
2.僧帽筋
3.大殿筋
4.胸鎖乳突筋
5.上腕二頭筋
1
筋は、骨格筋・心筋・内臓筋に分類されます。
51 後腹膜臓器でないのはどれか。
1.胃
2.腎 臓
3.膵 臓
4.上行結腸
5.腹部大動脈
1
選択肢の中で、腹腔内臓器は胃になります。
52 脳神経でないのはどれか。
1.嗅神経
2.視神経
3.三叉神経
4.尺骨神経
5.舌下神経
4
尺骨神経は、上肢の神経になります。
53 視覚野が存在するのはどれか。
1.小 脳
2.後頭葉
3.前頭葉
4.側頭葉
5.頭頂葉
2
視覚野が存在するのは、後頭葉になります。
54 副交感神経が興奮したときの作用はどれか。
1.散 瞳
2.発 汗
3.気管支拡張
4.心拍数減少
5.消化管運動低下
4
自律神経には交感神経系と副交感神経系の2種類があります。副交感神経が優位になると、リラックスするイメージで、心拍数減少が正解になります。
55 副腎から分泌されるのはどれか。
1.グルカゴン
2.カルシトニン
3.コルチゾール
4.バゾプレシン
5.トリヨードサイロニン
3
副腎から分泌されるのは、コルチゾールになります。
なおグルカゴンは膵臓、カルシトニンとトリヨードサイロニンは甲状腺、バゾプレシンは下垂体です。
56 視交叉に解剖学的に最も近い部位はどれか。
1.眼 球
2.小 脳
3.下垂体
4.松果体
5.脳梁膨大部
3
視交叉に関する問題です。下垂体周囲や海綿静脈洞周囲の疾患の場合は、視神経や視交叉への障害を考慮します。
57 胎児期にみられる動脈管で大動脈と直接交通するのはどれか。
1.右心房
2.肺静脈
3.肺動脈
4.内胸動脈
5.肋間動脈
3
胎児循環に関する問題です。胎児は肺循環がほぼないため、循環経路に特徴があります。胎児循環の特徴は、次の3つです。
- 肺動脈 → 動脈管 → 大動脈
- 右心房 → 卵円孔 → 左心房
- 臍静脈 → 静脈管 → 下大静脈
58 皮膚について正しいのはどれか。
1.構成成分に漿膜がある。
2.体温を調節する働きがある。
3.加齢とともに厚さが増加する。
4.真皮は角化扁平上皮からなる。
5癌化する場合は腺癌の頻度が高い。
2
皮膚の役割や概要についての問題だと思います。ネット検索すると、皮膚にはいくつか役割があるそうです。大まかには次の3つと考えて良いと思います。
- 保護作用 体外からの刺激から守ります。
- 体温調節 暑いときには汗を出して体温の上昇を防ぎ、寒いときには立毛筋を収縮させて体温が奪われないようにします。
- 知覚作用 触覚・圧覚・痛覚・温覚・冷覚などの様々な皮膚感覚を受容します。
他の選択肢は以下の通りです。
1.漿膜は基本的には、消化管(食道除く)の壁構造と考えて良いと思います。
3.加齢とともに薄くなります。
5.扁平上皮癌の頻度が高いで良いと思います。
皮膚は外側から3層構造となっています。その中に角化扁平上皮は含まれてないと思います。
- 表皮 外側から 角層>顆粒層>有棘層>基底層
- 真皮 外側から 乳頭層>乳頭下層>網状層 血管、神経、腺などが存在します
- 皮下組織
59 癌性疼痛に対する医療用麻薬の使用について誤っているのはどれか。
1.経口投与を基本とする。
2.疼痛の強さに応じて投与する。
3.時間を決めて規則正しく投与する。
4.患者個人の特性に合わせて投与する。
5.使用量の増量には限度が設定されている。
5
がんがみえる 第1版を参考にしてます。
がん疼痛に対する鎮痛薬の使用は、以下のWHOの4原則を基本としているそうです。(詳細は割愛)
- 経口的に
- 時刻を決めて正しく
- 患者ごとに
- そのうえで細かい配慮を
さらには3段階除痛ラダーというものがあり、痛みの強さに応じた鎮痛薬が選択されるそうです。
高度の痛みに対して使用されるような薬剤は、増量する分だけ鎮痛効果が高まる作用があるそうです。
一方軽度〜中等度で使用されるような薬剤は、増量しても効果が頭打ちとなり、副作用だけが増強されてしまうような特性もあるみたいです。
60 肝細胞癌で正しいのはどれか。
1.早期から黄疸が出現する。
2.肝硬変患者での発症が多い。
3.特異性の高い腫瘍マーカーはCEAである。
4.早期からリンパ節転移をきたすことが多い。
5.我が国では B 型肝炎ウイルスに起因するものが最も多い。
2
HCCについての問題です。肝細胞癌は、HCC(hepatocellular carcinoma)と言われます。HCCは原発性肝癌の9割以上を占めます。ウイルス性(B型、C型)の慢性肝炎や肝硬変などの慢性肝疾患がある方に発生します。
1.黄疸は、生成された胆汁が正常に排泄されないと発症します。排泄されない原因が器質的なら閉塞性黄疸に、機能的なら肝細胞性黄疸になると思います。いずれにしても早期の段階なら、黄疸を発症しないと考えて良いと思います。
3.特異性の高い腫瘍マーカーは AFP、PIVKA-II などです。CEAは腺癌に対する腫瘍マーカーです。
4.早期から転移することはないと思います。肝細胞癌周囲の門脈を介して肝内転移する、娘結節があります。
5.我が国では C型肝炎ウイルスに起因するものが約75%で最も多いそうです。B型肝炎ウイルスが関与するものは約15%だそうです。病気がみえる vol.1 消化器 第4版参照
61 上行結腸を栄養する血管はどれか。
1.腎動脈
2.腹腔動脈
3.内腸骨動脈
4.下腸間膜動脈
5.上腸間膜動脈
5
消化器に関連する主な動脈は、次のように各臓器に血流を送っています。
- 腹腔動脈 食道・胃・十二指腸・肝臓・胆嚢、膵臓・脾臓など
- 上腸間膜動脈 膵臓・十二指腸・小腸・上行結腸・横行結腸など
- 下腸間膜動脈 下行結腸・S状結腸・直腸など
- 内腸骨動脈 直腸など
62 厚生労働省の令和2年(2020 年)人口動態統計による日本人の死因の第2位はどれか。
1.肺 炎
2.老 衰
3.脳血管疾患
4.悪性新生物(腫瘍)
5.心疾患(高血圧性を除く)
5
ネットで「令和2年(2020) 人口動態統計月報年計(概数)の概況」を参照しました。
1位 悪性新生物 27.6%
2位 心疾患. 15.0%
3位 老衰 9.6% 平成30年に脳血管障害にかわり3位
4位 脳血管障害 7.5%
5位 肺炎 5.7%
6位 誤嚥性肺炎 3.1%
7位 不慮の事故 2.8%
8位 腎不全 2.0%
「令和4年(2022) 人口動態統計月報年計(概数)の概況」でも順位は同様でした。
63 MRI における安全性について正しいのはどれか。
1.人体の発熱は主に傾斜磁場により生じる。
2.脳動脈瘤のクリップは多くが磁性体である
3.胎児や乳児に対する安全性は確立されている。
4.導電性ワイヤーを内在したカテーテルは、発熱の原因となる。
5.条件つき MRI 対応ペースメーカは、撮影条件を遵守すればすべての施設で検査が可能である。
4
1.人体の発熱は主に傾斜磁場により生じる。→RFパルスの照射です。
2.脳動脈瘤のクリップは多くが磁性体である。→非磁性体がほとんどです。ただし1980年以前にはステンレス素材のものがありMRI禁忌であることに注意しましょう。
3.胎児や乳児に対する安全性は確立されている。→2023年2月時点の話です。文献等に安全性が確立されたという報告はありません。ただし胎児イメージングなども盛んに行われており、MRIをやったことで出生後に障害が認められることはないというニュアンスがほとんどだと思います。ガドリニウムは禁忌です!
5.条件つき MRI 対応ペースメーカは、撮影条件を遵守すればすべての施設で検査が可能である。→施設基準があります。
64 造影剤を逆行性に投与する検査はどれか。2つ選べ。
1.食道造影
2.注腸造影
3.冠動脈造影
4.子宮卵管造影
5.十二指腸造影
2,4
造影検査の造影剤注入方法に関する問題です。通常の流れに対して逆流するように投与するのは、注腸造影(大腸)、子宮卵管造影です。
食道は経口的に、十二指腸も経口的にもしくはカテーテルを留置しそこから投与しますが、いずれも順行性になります。
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