74回 午後 基礎医学大要

74回
50 左乳房の区分(No. 8)を示す。 C 区域を示すのはどれか。

1.ア 2.イ 3.ウ 4.エ 5.オ

2

乳腺の領域区分についてに問題です。C・C’領域は乳がんの好発部位になります。

51 腹腔内で最も尾側にあるのはどれか。

1.横隔下腔 
2.傍結腸溝 
3.膀胱上窩 
4.ダグラス窩 
5.肝腎陥凹(モリソン窩)

4

解剖の問題です。各選択肢は液体が貯留しやすい場所であることから術後などでドレーンを留置する代表的な場所となっています。ダグラス窩は男性では直腸膀胱窩、女性では直腸子宮窩と言われますので、一番尾側になると思います。

各選択肢は71回AM51に似ています。選択肢がほぼ一緒で、問う内容が変わりました。

52 細胞内小器官はどれか。

1.DNA 
2.腱鞘 
3.血小板 
4.コラーゲン 
5.ミトコンドリア

5

細胞内小器官についての問題です。

細胞は細胞膜で覆われていて、内部は核と細胞質で構成されています。もう少し詳細に見ると、次のようです。

  • 核内に存在するもの 核小体、DNA
  • 細胞質内に存在するもの ミトコンドリア、リボソーム、小胞体、ゴルジ装置、リソソーム
53 内耳孔を通過する神経はどれか。

1.嗅神経 
2.滑車神経 
3.三叉神経 
4.顔面神経 
5.舌咽神経

4

脳神経が通る孔についての問題です。内耳孔は顔面神経と内耳(聴)神経が通過します。前側が顔面神経になります。

54 空気感染するのはどれか。

1.結核菌 
2.コレラ菌 
3.黄色ブドウ球菌 
4.C型肝炎ウイルス 
5.ヒト免疫不全ウイルス

1

空気感染する代表的なものは、結核、麻疹、水痘などです。

55 日本人で脳出血の発生頻度が高い部位はどこか。2つ選べ。

1.橋 
2.視 床 
3.小 脳 
4.被 殻 
5.下垂体

2,4

脳出血についての問題です。脳出血の好発部位は次の通りです。

被殻 40%、視床 30%、小脳 10%、脳幹(橋) 10%

56 春に出現するアレルギー性鼻炎について正しいのはどれか。

1.嗅覚障害はない。 
2.薬物治療は効果がない。 
3.急性増悪することはない。 
4.吸入抗原としてはハウスダストが最も多い。 
5.吸入抗原の除去は鼻炎を抑制するのに有効である。

5

アレルギー性鼻炎についての問題です。

季節性アレルギー性鼻炎は、花粉症をイメージしてもらって良いと思います。体内にとって異物である花粉(吸入抗原)を除去することは有効と思われます。

通年性アレルギー性鼻炎では、ダニやホコリが原因となります。

57 頭部外傷について正しいのはどれか。

1.急性硬膜外血腫では骨折を伴わない。 
2.脳内血腫は受傷後6時間以降には生じない。 
3.皮下血腫が形成されていれば骨折は伴っていない。 
4.受傷部位の反対側に脳内血腫を生じるのはまれである。 
5.慢性硬膜下血腫は若年者に比べて高齢者に起きやすい。

5

頭部外傷についての問題です。正解を選択するアプローチが早いと思います。

1.急性硬膜外血腫では骨折を伴わない。 →急性硬膜外血腫は骨折を伴うことが多いです。

2.脳内血腫は受傷後6時間以降には生じない。→選択肢の意図が掴めませんが、血腫が増え続けることもあります。で良い?

3.皮下血腫が形成されていれば骨折は伴っていない。→そんなことはないと思います。

4.受傷部位の反対側に脳内血腫を生じるのはまれである。→対側損傷というものがあります。

58 乳腺疾患で疼痛を伴う頻度が最も高いのはどれか。

1.乳 癌 
2.囊 胞 
3.脂肪腫 
4.乳腺症 
5.線維腺腫

4

乳腺の疾患の特徴についての問題だと思います。

1.乳 癌 → 初期の場合、健診の視診や触診でしこりを確認することが有用とされています。痛みが出て見つかるというわけではないと思います。

2.囊 胞、3.脂肪腫 → 水の溜まり、脂肪の塊で通常痛みを伴うことは少ないと思います。

4.乳腺症 → 多くは両側に乳房の疼痛、圧痛、腫脹があるそうです。

5.線維腺腫 → 触診で腫瘤を指摘されることが多いそうです。よって痛むから見つかるわけではないと思います。

59 呼吸器の解剖と機能について正しいのはどれか。

1.肺は左右とも3葉に分かれる。 
2.終末細気管支でガス交換を行う。 
3.気管は全周性に軟骨で覆われている。 
4.肺組織を栄養する血管は肺動脈である。 
5.右主気管支は左主気管支に比べて垂直に近い走行をとる。

5

呼吸器の解剖と機能についての問題です。

1.肺は左右とも3葉に分かれる。 →右3葉、左2葉です。

2.終末細気管支でガス交換を行う。 →末梢の肺胞でガス交換を行います。

3.気管は全周性に軟骨で覆われている。 →U字型で背側は覆われていません。

4.肺組織を栄養する血管は肺動脈である。 →肺を栄養する血管は、気管支動脈です。

5.右主気管支は左主気管支に比べて垂直に近い走行をとる。→正解です。そのため誤って飲み込んだ異物は右に落ちやすいです。よって誤嚥性肺炎は右に起こりやすいです。

60 肘静脈から注入した造影剤が最初に到達するのはどれか。

1.右心室 
2.左心室 
3.大動脈 
4.肺静脈 
5.肺動脈

1

体循環の問題で良いと思います。

肘静脈から注入した造影剤は、上大静脈→右心房→右心室→肺動脈→肺→肺静脈→左心房→左心室→大動脈になります。

61 胃の主細胞から分泌されるのはどれか。

1.塩 酸 
2.粘 液 
3.内因子 
4.アミラーゼ 
5.ペプシノゲン

5

同じ問題を看護師の過去問で発見しました。第103回追試午後9。

62 卵巣から分泌され、子宮内膜の増殖に最も関係するホルモンはどれか。

1.インスリン 
2.エストロゲン 
3.サイロキシン 
4.テストステロン 
5.プロゲステロン

2

内分泌に関する問題です。やや難しい印象です。

エストロゲン・プロゲステロンが共に女性の性ホルモンです。エストロゲンは卵巣内の卵胞から、プロゲステロンは卵巣内の黄体から産生されます。子宮内膜の増殖に関わるのは、エストロゲンだそうです。

63 病院内で意識消失した人を発見した場合の初期対応として行うべきなのはどれか。2つ選べ。

1.応援要請 
2.状況の記録 
3.原因の究明 
4.救命救急処置 
5.院内の緊急連絡体制の整備

1,4

一次救命処置のBLS(Basic Life Support)の問題だと思います。大まかには次のような手順だと思います。

  • まず救急車や応援を呼びます。(AEDの手配も)
  • 呼吸の確認を行います。通常の呼吸なら側臥位にします。
  • 呼吸をしていないなら、心肺蘇生(cardiopulmonary resuscitation:CPR)を行います。
  • 自動体外式除細動器(automated external defibrillator:AED)を使用します。
64 ヨード造影剤の総量 100 mL を2mL/秒の速度で静脈投与して造影 CT を行った場に、検査を受けた患者にみられる頻度が最も高いのはどれか。

1.嘔 吐 
2.熱 感 
3.腎不全 
4.ショック 
5.じん麻疹

2

ヨード造影剤の副作用の問題で良いと思います。

ヨード造影剤は細胞外液性の造影剤になります。細胞外液と血管内の浸透圧が平衡になろうとするとき(造影剤が血管内→細胞外液に移動するとき)、熱感を感じるそうです。

コメント

タイトルとURLをコピーしました