67回 午前 撮影技術学

67回
83 頭部 MRI を撮影するために患者を検査室に入室させ寝台に乗せたところで、患者が胸部にカイロを装着していることに気が付いた。診療放射線技師の対応として適切なのはどれか。

1.体に付着しており移動する恐れがないと判断していつも通りの撮影を行う。
2.患者へは特に説明をせず検査を進める。
3.MR 検査室の撮影スタッフとの情報共有の必要はない。
4.検査を依頼した医師に対して責任を追求する。
5.インシデント報告を行う。

5

割愛します。

84 同一部位の撮影で管電圧を 90 kV から 130 kV に上昇させたときに考えられるのはどれか。

1.画像の拡大率が低下する。
2.被検者の被ばく線量が増加する。
3.被写体コントラストが低下する。
4.X 線の骨組織での透過性が減少する。
5.被検者から発生する散乱 X 線が減少する。

3

被写体コントラストとは、被写体透過後のX線強度差を意味するそうです。よって影響する因子としては、以下のようなものがあります。

  • 管電圧
  • 被写体の厚さ
  • 被写体の吸収係数
  • 散乱線

また管電圧を高くすると、線質が硬くなり、被写体からの散乱線が増加することも知られています。

76回AMでは、逆のような出題がされています。

85 左鎖骨の正面 X 線写真(No. 7A、B)を示す。 X 線入射方向の組合せで正しいのはどれか。

  A        B
1.前後       後前
2.前後       足側から 25°斜入
3.後前       前後
4.足側から25°斜入  前後
5.足側から25°斜入  後前

2

鎖骨の一般撮影では、以下の2方向撮影が基本と思われます。

  1. AP方向 X線管球は水平
  2. AP方向 X線管球は足側から20°程度で射入

B画像の鎖骨が、肺尖部の方に描出されています。よってBが足側から射入する撮影になります。

86 子宮卵管造影検査で正しいのはどれか。

1.経時的に撮影する。
2.40 kV 程度の管電圧で撮影する。
3.骨盤計測を目的とした検査である。
4.造影剤投与前に KUB 撮影を実施する。
5.油性ヨード造影剤の使用は禁忌である。

1

子宮卵管造影(Hysterosalpingography:HSG)は、子宮から造影剤を逆行性に注入します。子宮に注入した造影剤が、卵管の通過、骨盤腔内へ拡散する経過を撮影します。

造影剤投与前の画像を撮影しておき、任意の画像とサブストラクションすることもあります。骨を除去して、造影剤を選択的に強調するような画像が作成出来ます。

2.40 kV 程度の管電圧で撮影する。⇨ 骨盤なので70kV程度と思われます。
3.骨盤計測を目的とした検査である。 ⇨骨盤計測は、グースマンやマルチウスと思われます。
4.造影剤投与前に KUB 撮影を実施する。 ⇨KUBは、腎、尿路、膀胱の頭文字です。腎や尿路は必要ないです。
5.油性ヨード造影剤の使用は禁忌である。⇨油性造影剤が使用されることもあるかと思います。

87 健常人の単純 X 線 CT 像で最も高吸収値を呈するのはどれか。

1.脳
2.肝 臓
3.筋 肉
4.乳 房
5.甲状腺

5

甲状腺になります。

88 腹部立位 X 線正面写真(No. 8)を示す。 画像所見で正しいのはどれか。

1.総胆管の拡張
2.大腰筋の線維化
3.腹腔内遊離ガス
4.鏡面形成〈ニボー〉
5.腹部大動脈の石灰化

4

ニボー像を観察することが出来ます。

89 頭部血管造影側面像(No. 9)を示す。 描出されている血管はどれか。 2つ選べ。

1.脳底動脈
2.前大脳動脈
3.後大脳動脈
4.上小脳動脈
5.中大脳動脈

2,5

内頸動脈が造影されている側面撮影です。内頸動脈系は、前大脳動脈・中大脳動脈が描出されています。

90 造影後の三次元頸部 CT の正面像(No. 10A)と斜位像(No. 10B)を示す。正しい組合せはどれか。

1.ア 内頸動脈
2.イ 第 6 頸椎
3.ウ 鎖 骨
4.エ 椎間孔
5.オ 棘突起

2,4

複数解になった問題です。

ア 椎骨動脈、イ 第6頚椎、ウ 第1肋骨、エ 横突孔、オ 横突起

B画像エの椎骨動脈が通過している孔は横突孔です。B画像において、エの背側に隠れているのが椎間孔と思われます。

91 胸部 CT 像(No. 11)を示す。 矢印で示すのはどれか。

1.上大静脈
2.腕頭動脈
3.上行大動脈
4.下行大動脈
5.右総頸動脈

1

上大静脈です。

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