75回 午前 基礎医学大要

75回
50 健常成人の体重で水が占める割合[%]に最も近いのはどれか。

1. 5
2.20
3.40 
4.60 
5.90

4

人体はおよそ50〜60%が水分=体液で構成されています。

51 頸部にある筋肉はどれか。

1.前鋸筋
2.腓腹筋
3.円回内筋 
4.外側広筋 
5.胸鎖乳突筋

5

頸部の代表的な筋は次のとおりです。

  • 胸鎖乳突筋
  • (前・中・後)斜角筋
  • (頭・頸)板状筋など
52 呼吸について正しいのはどれか。

1.内呼吸は肺で行われる。 
2.吸気時に横隔膜は弛緩する。 
3.ガス交換は拡散によって行われる。 
4.ガス交換は呼吸細気管支で行われる。 
5.肺静脈より肺動脈の血中酸素分圧が高い。

3

1.呼吸は2種類あります。肺で行う外呼吸と、細胞で行われる内呼吸です。

2.横隔膜は吸気時に収縮し、呼気時に弛緩します。 

3.ガス交換は拡散によって行われる。 濃度差が均一になるイメージを持つと良いと思います。

4.ガス交換は肺胞で行われます。 

5.血中酸素分圧は、肺動脈 < 肺静脈です。

やや難しい印象です。一方で他の選択肢は呼吸関連の基礎と思われますので、消去法によるアプローチも有効であると思います。

53 子宮動脈が分岐する血管はどれか。

1.大腿動脈
2.外腸骨動脈 
3.内腸骨動脈 
4.下腸間膜動脈 
5.上腸間膜動脈

3

骨盤内を栄養するのは内腸骨動脈と覚えると良いと思います。

外腸骨動脈は、下肢を栄養し大腿動脈→膝窩動脈と分岐していきます。

54 生活習慣が発症に関連するのはどれか。

1.骨肉腫
2.1型糖尿病 
3.多発性硬化症
4.肥大型心筋症 
5.慢性閉塞性肺疾患

5

慢性閉塞性肺疾患は、主に喫煙が原因となります。糖尿病の生活習慣が原因となるのは、2型糖尿病です。

55 骨盤を構成する骨はどれか。 2 つ選べ。

1.坐 骨
2.恥 骨 
3.腰 椎 
4.肩甲骨 
5.大腿骨

1,2

骨盤は、腸骨・恥骨・坐骨で構成されています。

56 脳幹を構成するのはどれか。 2 つ選べ。

1.橋
2.小 脳 
3.脊 髄 
4.大 脳 
5.中 脳

1,5

脳幹は、中脳・橋・延髄で構成されています。

57 胸部大動脈から直接分岐するのはどれか。

1.内胸動脈
2.右総頸動脈 
3.右椎骨動脈 
4.左鎖骨下動脈 
5.右鎖骨下動脈

4

次のように分岐します。

  • 鎖骨下動脈 → 内胸動脈
  • 大動脈 → 腕頭動脈 → 右総頸動脈
  • 腕頭動脈 → 右鎖骨下動脈 → 右椎骨動脈
58 肝臓の機能で正しいのはどれか。

1.脂肪の吸収
2.胆汁の貯蔵 
3.蛋白質の分解 
4.インスリンの分泌 
5.グリコーゲンの貯蔵

5

肝臓の主な機能は、大まかに次のように分類出来ます。

体に必要なものを合成・貯蔵します。

  • 合成 蛋白質、酵素など
  • 貯蔵 グリコーゲン、中性脂肪、ビタミンなど

不要なものを排泄します。

  • 排泄 ビリルビン、薬物など
59 腫瘍について正しいのはどれか。

1.上皮性悪性腫瘍を肉腫という。 
2.早期がんは遠隔転移を起こさない。 
3.遺伝子異常のある腫瘍を遺伝性腫瘍という。 
4.浸潤のない悪性腫瘍を非上皮性腫瘍という。 
5.進行がんの定義は臓器やがんの種類によって異なる。

5

割愛します。

60 疾病や障害に対する二次予防はどれか。 2 つ選べ。

1.がん検診
2.早期治療 
3.予防接種 
4.生活習慣の改善 
5.リハビリテーション

1,2

一次予防 予防(予防接種、生活習慣の改善)

二次予防 早期発見・早期治療(がん検診、早期治療)

三次予防 治療・重症化予防・回復(リハビリテーション)

61 舌の運動に関わる神経はどれか。

1.顔面神経
2.三叉神経
3.舌咽神経 
4.舌下神経 
5.迷走神経

4

舌の運動は、舌下神経支配です。

62 病原体の中で最も小さいのはどれか。

1.細 菌
2.ウイルス 
3.プリオン 
4.リケッチア 
5.スピロヘータ

2,3

難問のため、解答出来なくても良いと思います。調査した結果を念の為記載してます。

参考図書:病気がみえる vol.6 免疫・膠原病・感染症 第1版

病原体の大きい順

  • 寄生虫(2mm~80μm)
  • 真菌(1~10μm)
  • 細菌(1μm程度) リケッチア、スピロヘータ
  • ウイルス(20~300nm)
  • プリオン(100nm以下) 蛋白質性感染粒子
63 感染症に対する標準予防策〈スタンダード・プリコーション〉で用いられるのはどれか。 2つ選べ。

1.陰圧室
2.N95 マスク 
3.ヘパフィルタ 
4.ガウン(エプロン) 
5.手指消毒用アルコール

4,5

概要は次のとおりです。

標準予防策の概念は、血液や体液(汗は除く)、排泄物、粘膜、傷のある皮膚などは感染があるものとして扱うことです。

具体的には、処置前後の手洗いや手指消毒、手袋やエプロンの装着などがあります。(滅菌などもありますが、ここでは抜粋します。)

64 急性期の炎症で認められるのはどれか。

1.器質化
2.滲出液 
3.線維化 
4.瘻孔形成 
5.肉芽腫形成

2

炎症について、大まかに解説します。

組織が障害されると、生体が障害因子を排除しようとします。さらに障害された組織を修復しようとします。このような一連の反応のことを炎症と言うそうです。

障害因子を排除する・障害された組織を修復する際に、血管反応+食細胞の遊走が起こります。血管反応は、血管透過性亢進と血流量増加です。

血管透過性が亢進すると、血漿成分が血管外へ滲出し疼痛・腫脹の原因になります。

血流を増やすために、血管が拡張します。これが熱感・発赤になります。

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