放射線の計測装置についてまとめてありますので、参考にして下さい。
※要注意 あくまでも参考程度にして下さい。必ず成書を参考にして下さい!
印加電圧による領域
放射線が物質を電離するという性質を利用する装置に、電離箱・比例計数管・GM計数管があります。
これらは装置内の印加電圧の違いにより、電離によって生成された陽イオンや電子の挙動が変わります。この違いを、印加電圧の低い順に説明します。(境界領域、連続放電領域は抜粋)
- 再結合領域 印加される電圧が低いため、電離によって生成された陽イオンと電子が電極に到達する前に再び結合する確率が高い領域です。
- 電離箱領域 電離によって生成された陽イオンと電子がほとんど電極に収集されます。収集イオン数がプラトーな値となり、安定した出力が得られます。
- 比例計数管領域 一次電離によって生成された二次電子が加速されて、電極に到達する前にガス原子・分子を電離するようになります(二次電離)。また二次電離によって生成された電子も他のガス原子・分子を電離しながら電極に到達します。このように電子と陽イオン数が増幅していくことを、ガス増幅や電子なだれと呼びます。
- GM計数管領域 陽極全体を覆ってしまうほどの電子なだれが起きるので、出力パルスの大きさは入射放射線のエネルギーに関係なく一定となる領域です。
電離箱
各種補正
気圧と気温の補正
気圧と気温の変化により、有効電離体積の大きさが変わるからです。
気圧↑ 面積が大きくなり、感度が上がります。
気温↑ 面積が小さくなり、感度が低下します。
方向依存性の補正
エネルギー依存性の補正
比例計数管
出力パルスの高さが一次電離によって生成されたイオン対数に比例しています。つまり放射線の種類が同じならば、エネルギーの大小にほぼ比例した高さの出力パルスが得られます。よってエネルギー分析も可能です。
比例計数管の内部には、PRガスが充填されています。
内部では、一次電離によって生成されたニ次電子が収集電極へ移動するまでに気体原子・分子を電離し、新たなイオンを生成します。さらに、新たに生成された二次電子も気体原子・分子を次々に電離しながら収集電極に到達します。これをガス増幅と呼びます。
ガスフロー型比例計数管
線源を計数管内にセットして計測します。α線や低エネルギーβ線の測定に適します。
2πガスフロー型比例計数管
入射窓がないので、窓による減弱がないです。
α線 比電離が大きいため、印加電圧が低くても測定可能です。
β線 比電離が小さいため、印加電圧が低くいと測定不可能です。
中性子測定用比例計数管
核反応によって生じた荷電粒子や弾性散乱によって生じた反跳電子の電離作用を利用した検出器があります。
BF3計数管
内部にBF3ガスが封入されています。熱中性子などはホウ素と核反応を起こすとリチウムを生成し、α線を放出します。10B(n、α)7Li この時のLi核とα線による電離作用を利用して中性子を測定します。
GM計数管
放射線が物質を電離する電離するという性質を利用しています。
GM計数装置による絶対測定で、必要となる補正には次のようなものがあります。
幾何因子、空気層と検出器入射窓の吸収補正、試料台による後方散乱補正、線源の自己吸収補正、分解時間係数(数え落としに関する補正 ?)
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