私は卒業した診療放射線技師養成校の非常勤講師を10年以上やらせて頂いております。
講義の中で臨床の病変画像を使いたくても、個人情報や施設の承諾などの関係で気軽に使えない事が多いです。
だから生成AIの代表格、chatGPTで病変画像を作れるかチャレンジしてみました。
結論から言うと、惜しい感じですね。
- CT画像としては、上出来
- 単純と造影のコントラストもイメージ通り
- 解剖学は惜しい
- 病変画像としては、イマイチ
私がより良い指示をすれば、解剖学や病変画像もよりリアルな画像を作成してくれるかもしれません。これが今後の課題です。
今回は私が指示した内容と実際に作られた画像を、3パターン紹介します。
まずは単純に依頼してみた
指示した文章もスクショで載せます。

指示をより詳細にしてみた
指示した文章はスクショでは収まりきらないので、以下にテキストで記載します。
若手技師に指導するので、病変の理解が進むように画像を作成して下さい。
4つの水平断画像を1枚にまとめて下さい。
断面は全て大動脈弓部が確認出来るレベルで、病変は大動脈解離です。
1つ目
単純CT画像
偽腔開存型なので、病変は明らかでない事
2つ目
造影CT
大動脈弓部に解離が確認出来ること
偽腔開存型で、真腔と偽腔が確認出来る事
3つ目
単純CT
偽腔閉鎖型なので、大動脈弓部に偽腔が血栓で高吸収域になっている事が確認出来る事
4つ目
造影CT
偽腔閉鎖型で、偽腔に造影剤は流入しないので、病変は明らかでない事

大動脈解離の概要
次はCT画像でなく、病態の理解が進むようにイラスト作成を依頼してみました。1つ目は完璧だと思ったのですが、2つ目以降は残念な感じでした。
若手技師に指導するので、病変の理解が進むように画像を作成して下さい。
4枚のイメージイラストを作成し、1つにまとめて下さい。
1つ目
大動脈解離は、血管の中膜が裂けてしまう病変です。そして本来の血管である真腔、新たな血管ルートを偽腔と呼びます。
2つ目
そして真腔から偽腔に血流が流れ込むところをエントリー、偽腔から真腔に血流が戻る部位をリエントリーと呼びます。
3つ目
この偽腔に血流があるものを偽腔開存型
四つ目
血栓などで偽腔が閉鎖しているものを偽腔閉鎖型と呼びます。

まとめ
今回は大動脈解離に関する画像作成と病態を理解するためのイラスト作成の2種類を依頼してみました。
結果的には、半分正解で半分不正解な印象でした。
今後は指示をより具体的に、または対話の回数を増やす事でより正解に近づく事が期待出来ます。
これからはもっと色々の病態で、様々な画像を生成してもらい、正解を出せるように私も成長していきたいです。
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